黄金期を支えた名波監督!成績不振の責任を取ってジュビロ磐田を辞任!次期鈴木監督に託すことは?
ジュビロ磐田は成績不振に伴って名波浩監督が辞任。
鈴木秀人ヘッドコーチの内部昇格が決定!
名波浩監督が辞任に至った理由とジュビロ磐田が抱えている問題についてまとめてみました。
ジュビロの資金力
2000年~2010年までジュビロ磐田はJリーグトップクラスの成績を収めた強豪クラブですが、近年ではJ1下位が定位置となってしまっています。
チーム人件費は20億円弱といわれていて、Jリーグの中位クラス。
決して優勝争いが出来る資金を用意できているわけではありません。
しかし、サポーターは黄金期の印象が強く残っているうえにフロント、現場スタッフに残っているのは黄金期を支えたメンバーであり目標が現実に置かれている位置よりも高くなってしまう状態にあると思います。
ジュビロの攻撃的サッカーへの呪縛
ジュビロ磐田は黄金期は名波浩選手を軸に中山雅史選手、高原直泰選手、藤田俊哉選手、奥大介選手ら攻撃センスあふれる選手達が自由にポジションを入れ替えながら即興的な連携、パスワークで守備陣を崩した得点が多く、攻撃的なチームとしての精神が根付いています。
しかし、一人がボールを持つ時間が減少した現代サッカーでは、自由と攻撃性を両立するのは難しくなっています。
攻撃的なサッカーで現在うまくいっているチームはポジションや動き方は戦術的に理詰めで規定されていて、そのうえで個人技、連携を生み出しています。
名波浩監督は、そのような攻撃的サッカーを機能させる指導者としての勉強ができずに、いきなりトップチームの監督に据えられてしまったため
「攻撃的なサッカーがやりたいのに出来ない」という状態が続いていました。
辞任に関するコメントにも「楽しくサッカーをさせてあげられなかった」と述べています。
このコメントがかなりジュビロ磐田の現状の問題を表していて「楽しくサッカーをする」というのが、選手主導で自由にプレーすることなのか、攻撃的にプレーすることなのかがいまいちぼんやりとしたまま理想を追いかけて、時間だけが過ぎてしまっています。
例えば、FCバルセロナは攻撃的なサッカーですが、ポジションや動き方は型があり戦術的にかなり細かいです。
ただし、バルセロナの選手達が監督の言いなりで不自由に楽しくなさそうにサッカーをしているようには思えません。
戦術的なベース、セオリー、パターンを共有した選手達が繰り出す創造性が型を破って得点を生み出していますね。
おそらくジュビロ磐田の黄金期も同じで選手間でただ自由に楽しくサッカーをしていたわけではなく、優秀な選手達が論理的にサッカーを共有していたと思います。
ただし、現役時代になんとなく分かりあえていたことを指導者になってから体系的に教えられていない。
このあたりが名波浩監督がうまくいかなかった理由でしょうね。
2年前のシーズンは中村俊輔選手に名波監督が現役時代にやっていたピッチ上の指揮官をまかせて6位と成功しましたが、ベテランに全てを任せるのはリスキー。
怪我が相次ぎ、中村俊輔選手を中心とした攻撃は崩壊しています。
ジュビロ磐田は名波監督以前から攻撃的なサッカーを志向してはとん挫していますね。
草原の真ん中で自由に生きていくといったもの何もないので不便極まりないです。
自由に楽しく生きていくにはインフラ、教育、法律などが整っている環境でないと難しいです。
これと同じで静岡サッカー、ジュビロ磐田の精神となっている「自由に楽しくサッカーをする」ためのベースにはセオリーや戦術があるわけです。
ジュビロ磐田は、それがないままです。
鈴木秀人監督に求められること
これまで名波監督について辛口で書いてきましたが、ジュビロ磐田OBの監督前任者は似たようなタイプなのでクラブが抱えている根本的な問題のように見えます。
後任となった鈴木秀人監督もおそらく凄く優秀な戦術家ではないですね。
名波監督時代に芽が出ていないので。
特別、監督として優秀ではないし、Jリーグチームを指揮した経験もないがチーム状態は把握しているというのが鈴木秀人監督の置かれている現状です。
まず、残留がミッションですね。
残留ラインは勝ち点34程度ですが、現在20試合で勝ち点17。
現在最下位のサガン鳥栖とは勝ち点で同じ、まだまだ可能性はあります。
ディフェンダーだった鈴木秀人監督ですから守備を整備してセットプレーとカウンターアタックを整備すれば、選手の質を考えると残留できるでしょう。
しかし、ジュビロ磐田が持っている攻撃的なサッカーへの理念とは真逆のサッカーです。
名波監督はモチベーターとして優秀で攻撃的なサッカーをするためにジュビロ磐田に来た選手に守備を頑張らせることが得意で勝負所で勝ち点を取ってきましたが、鈴木秀人監督に同じことができるかどうかが問われます。
守備的で弱者の兵法にしながらも、選手のプライドを保つマネジメントが必要となるでしょう。
大久保嘉人選手、川又堅碁選手といったベテラン選手と血気盛んなロドリゲス選手の扱いはとくに難しそうです。
名波浩の今後
名波浩さんは現役時代のキャリアの凄さや喋りの達者さで引退後は解説者として人気があり、コーチをやるよりも稼げる状態でした。
そのため、引退して時間が空いてからいきなりトップチームの監督になったことが良くなかったと思います。
選手のマネージメントスキルがあり、ゲームの流れを感覚的に読む采配術、カリスマ性には他の監督にはないものがあります。
指導者としての勉強をし直してから、優秀な戦術家を参謀に据えると素晴らしい監督になるでしょう。
そこで次のキャリアとして望ましいのは、バルセロナのメソッドを導入しているヴィッセル神戸ユース。
マンチェスターシティのメソッドを導入している横浜Fマリノスユースのスタッフや海外留学も良いですね。
また、Jリーグで長年攻撃的サッカーを実現している北海道コンサドーレ札幌ミシャ・ペトロヴィッチ監督のもとでコーチ。
日本代表森保一監督もミシャ監督のコーチを経験していますし、学ぶことも多いでしょう。
また、コンサドーレ札幌の社長は地元静岡の同級生で友達ですから、コンサドーレに行くのも面白そうです。
とにかく、他の優秀な監督から学べる環境を手に入れて欲しいですね。
個人的には日本サッカー協会には行ってほしくないですね。
日本サッカー協会が抱えているサッカー観と名波監督のそれは似ていて、問題点もそっくりです。
・自由にポジションチェンジを推奨して攻守の切り替えが組織化出来ない。
・横幅が確保されていないためにポゼッションが安定しない。
・ディフェンダーがドリブルで運べないため、相手を引きつけられず守備ブロックを作られると崩せない。
・ゾーンディフェンスの意識が薄くて人に付いていくのでサイドから攻められると真ん中が空いてしまう。
これらは世代別代表とジュビロ磐田に共通した悪癖で日本サッカーの負の部分といえるでしょう。
名波監督は日本サッカー協会から声がいかにもかかりそうですが、悪い影響しかお互いに無さそうな気がします。
是非、「日本サッカー」の外にあるサッカーを取り入れて成長して欲しいですね。
最後に
いかがでしたか?
「J1リーグ・ジュビロ磐田で激震!最下位の責任取った名波浩監督が辞任」で辞任した名波監督とジュビロ磐田の今とこれからについてまとめてみました。
ジュビロ磐田サポーターには厳しい内容になってしまいましたが、客観的にみて降格するような選手層ではないので
鈴木秀人監督がよほど悪く無い限りは大丈夫だと思います。
就任1試合目には攻撃的なサッカーを志向していて、機能していなかったので心配も大きい内容でしたが
大久保嘉人選手と川又堅碁選手といったベテラン選手が戻ってくれば大丈夫だと思います。
これからも、ジュビロ磐田のサッカーを応援していきます。
ジュビロ磐田の初期から黄金期、そして現在を「ジュビロ磐田 チーム紹介」で紹介しています。