今回はサッカー界において影響力を大きくし続けているスポーツベッティングとJリーグの関係性について特集していきます。
totoとDAZNの今後についてもスポーツベッティングに絡めて考えていきます!
最後までご覧ください!
スポーツベッティング
現在のスポーツの賭け市場は80兆円から120兆円といわれていて、その中の多くをサッカーが占めています。
とくにヨーロッパのサッカーはギャンブルとともに成長して、八百長のリスクと戦い続けてきた歴史があり最も規模が大きく法整備やシステムが出来上がっています。
スポーツのギャンブルの最新のシステムがオンラインベッティングです。
オンラインベッティングはスポーツへお金をかけることへの敷居を大幅に下げて、海外からでも試合中にもかかわらずにワンクリックで賭けることが出来るようになっています。
すでにヨーロッパのビッグクラブの多くの胸スポンサーにはスポーツベッティング企業が付いていますが、世界一のグローバルスポーツであるサッカーのスポーツベッティング市場の今後のポテンシャルは相当に大きなものがあります。
Jリーグとギャンブル
日本では公営のスポーツくじtotoが全試合を同時に予想するという形でサッカーに賭けることが出来ますが、1試合ずつ賭けることが出来ず、ネットで予想する紙を購入するというアナログな仕様となっています。
もちろん八百長防止のために安全に運用されているともいえますが、盛り上がってはいませんね。
また、totoの利益は半分を国に返納して残りをスポーツの全競技の振興のために使用していますのでサッカー界にとってのメリットはあまりない状態。
Bリーグをtotoの対象とするための法整備を進めているという話もあって、totoは変化が必要な時期にきています。
ここに目をつけている企業がJリーグの放映権を獲得したDAZNだと思います。
DAZNはもともとスポーツベッティングを行っているサイトにサッカーの映像を提供し、自身もスポーツベッティングで成長してきたイギリスの企業です。
ヨーロッパと試合の時間と開催季節が違うJリーグは海外で賭けの対象として魅力的ですし、カジノが合法化するなどギャンブルを日本政府は認めていく方針。
そして、Jリーグは現状のtotoに全く恩恵を感じていない。
これらのことから絶対に収益が上がらないといわれたJリーグの国内放映権年間210億円をDAZNが払う理由は、Jリーグに賭けるスポーツベッティングの権益を握っておきたいからという説が濃厚。
Jリーグと日本はスポーツとギャンブルの問題に今後向き合うこととなるでしょう。
また、Jリーグのスポーツベッティング合法化を目論んでいるのはDAZNだけではありません。
すでにイギリスでスポーツベッティングサービスを開始している日本企業ジャングルxは日本でもスポーツベッティング合法化に向けてすでに動いていて本田圭佑選手が投資していることでも有名です。
現状でも違法で無い形で海外のサービスからJリーグに賭けることは可能ですが、公に認められた形で日本でJリーグに賭けるのが当たり前という未来は近いのかもしれません。
自由に賭けることが出来ることと、八百長防止システムの整備は同時に行わなければいけません。
その意味でVAR(ビデオ、アシスタント、レフェリー)制度を2020年シーズンから導入することは、長期的に大きな価値を持つかもしれません。
アジアの違法賭博市場
DAZNがJリーグに投資する理由は日本だけではなくアジアにもあります。
アジアには中国や東南アジアを中心にスポーツの違法賭博が蔓延していて、その市場はヨーロッパのスポーツベッティング市場に匹敵するとの噂もあり、いずれ、この違法賭博市場は合法的に管理される流れとなるでしょう。
その際には、スポーツベッティング企業の競争が激化します。
違法賭博市場とそれに絡むマフィアをサッカー界から根絶できるのであれば、アジア各国にとって悪い話ではないですね。
DAZNが日本に進出する理由としては、2019年現在でギャンブルとサッカーが合法的に管理されていて、リアルタイムでサッカーを観戦できるネット環境のインフラが整っているのでアジアでのサービスのモデルケースになり得るわけです。
2020年にタイでサービスを開始すると報じられているDAZNをはじめヨーロッパのスポーツベッティング企業はアジアサッカー界の市場を虎視眈々と狙っています。
2020年に開始される5Gと東京オリンピック
第5世代移動通信システム(5G)が2020年に開始されることでスマートフォンでもスポーツを遅延なく見ることが当たり前となるようです。
携帯のキャリア企業は東京オリンピックに向けて大規模なプロモーションをしていくことでしょう。
キャッシュレス化が進み財布の役割を果たしつつあるスマートフォンとスポーツベッティングの親和性は高く、 スマートフォンでスポーツを見ることが当たり前になるとスポーツベッティングの市場はさらに大きくなることになります。
Jリーグはこれまでヨーロッパサッカーと違いギャンブルの恩恵を受けずに成長してきましたが、インターネットの普及はその規制を撤廃させていかざるをえないでしょう。
Jリーグの海外放映権はどうなる?
Jリーグの外国人枠拡大にはビジネス的背景もあります。
2020年以降のJリーグの海外放映権のライセンスの契約更新時期が迫っていて水面下で交渉がすでに始まっているといわれています。
久保建英選手が出場しているレアルマドリードの試合を日本人が視聴するように、Jリーグで活躍している外国人選手が増えると海外でのJリーグの価値は高まりますよね。
すでにタイではコンサドーレ札幌のチャナティップ選手、横浜Fマリノスのティーラトン選手といったスター選手が活躍しているのでJリーグはプレミアリーグに次ぐ人気となっています。
イニエスタ選手やビジャ選手のような世界的なスター選手も所属していますね。
Jリーグは2017年シーズンから国内放映権をスカパーからDAZNに変えたことで放映権が年間50億円から210億円に増額。
海外放映権は現在スカパーが持っていて年間3億5000万円ですが、外資のIT企業が名乗りを挙げているとされていて、どこまで放映権料を引き上げることが出来るか注目です。
2020年に東南アジアでサービスを開始する予定のDAZNが有力とみられていますが、インターネット配信企業が多くの国にJリーグを視聴できる環境を整備すれば広告収入の増加も見込めます。
2020年はVARの導入が決まっていることと、賞金、理念強化配分金に総額の変更がないことが決定しています。
VARの導入には1億円から2億が必要といわれているので、海外放映権の更新で新しく財源を確保したのかもしれません。
Jリーグは八百長が起こったことがない世界でも珍しいリーグなので、海外放映権の拡大に伴って、まずは海外でのスポーツベッティングの対象として成長して、国内に資金が還流してくると良いですね。
最終的には、totoが独占している国内のサッカーくじを自由競争にして国ではなくJリーグに年間1000億円といわれるtotoの売り上げ資金が入ってくるようになると、Jリーグはヨーロッパリーグに資金力で対抗できるようになるでしょう。
最後に
このように日本のサッカーにはまだまだ伸びしろがあるので、村井チェアマンの舵取りと今後の成長に期待したいですね。